|
役者仲間〜奇跡は起こる〜
人見知りな私。
初対面の人と気楽に話をするなんてことは、とてもとてもできません。
打ち解けていくのに時間がかかります。
しかし、これが役者仲間となると、打ち解けるのが少し早くなるようです。
役者仲間同士、演技を通して感情を交し合うわけで、
それは、普通の関係だったらなかなか行わないことなわけです。
また、役作りのために役者仲間同士で話し合ったりもするわけで、
密な時間を過ごすことが多いのです。
自然、打ち解けるのが早くなるようです。
とはいっても、信頼関係はそれなりの時間をかけて、
それなりの作業をともなって育んでいくものです。
毎回ほぼ固定メンバーで行われる、劇団としての公演は、
お互いの気心が知れているので、
即、芝居に入りやすいというメリットがあります。
この前はこの人と親子だったのに、今回は恋人同士だぁ、
なんていう楽しみもあります。
一方、プロデュース公演では、
役者仲間がお互いの信頼関係を築くことから始めるので、
とても大変だったりします。
始めまして、で、すぐに、親友、恋人、親子などを演じるわけですから。
でも、その都度、新しい出会いがあるので、これまた楽しいわけです。
どちらもどちらで、楽しみのあるものです。 |
|
役者仲間同士、信頼関係を築いて、
気心が知れるようになるのが大事だなと思うのですが、
それは、そうでないと芝居がうまくかみ合わないと思うからです。 |
|
仲の良いもの同士なら、仲良し役・恋人役はもちろん、
敵役を演じることもできますが、
嫌いな相手とは、たとえ敵役だってうまく演じられないな、と思うのです。
これは、役者としてはあまり褒められたことではないのかもしれません。
以前、テレビのインタビュー番組で、ある男優さんがこう話されてました。
「大嫌いな女優さんと恋人同士の役をやらなくてはならなくて、
当然、芝居で手を握ったりします。
そうすると、終わった後、もうゴシゴシ手を洗ってました。
でも、芝居をやっている間は、本当に恋人として
好きだって思いになれるんですよ。」
さすがプロ!文句なく脱帽です。
こうでなくちゃいけないな、と思います。
思いますが、やはり私には無理なようです。
幸い、今まで、本当に嫌なやつってのには出会わないですんでます。
「芝居好きに悪いやつはいない!」っていうのが私の持論です!
一緒にひとつの作品を創っていく役者仲間。
お互いに助け合っていこうと思うものです。
つまづいてしまっている仲間がいれば、貸せる力は出し惜しみなく貸します。
自分が試行錯誤で体得したようなテクニックだって、
どんどん説明しちゃいます。
もっとも、そのテクニックは、先輩達から同じようにして
説明してもらったものだったりするのですけども。
稽古を重ね、話をし、行き詰った苦しさをぶつけ、ぶつけられ。
それでも芝居の中で自由になれないとき、
自分自身の中に原因があることもあります。
話をしていると、いつのまにか人生相談になってしまうことも。
そうやって、たくさんたくさん話をして、
ふと心が通じたときのなんともいえない感覚。
普通では得られないこの感覚。
これが得られたことだけでも、演技が変わります。
芝居を続けていると何が起こるかわかりません。
なんともいえない幸せな奇跡に出会えます。
だから芝居をやめられないのかもしれません。
役者仲間って、奇跡を起こします♪……… |
|
|