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音響〜もうひとつの魔法〜
舞台を盛り上げてくれる、なくてはならないもの。
そのひとつが音響です。
音響は、大きく分けると、効果音と音楽に分かれます。
ここで効果音とは、ガラスの割れる音とか、ピストルの発射音とか、
舞台上での芝居に合わせて出す音のことを指します。
音響さんが、実際のものを操作して(たたいたり、こわしたり…)音を出し、
それを録音することもありますし、
市販の効果音を使うこともありますし、
最近ではシンセサイザーのような楽器(装置?)で
効果音を作ることもできるようです。
ピストルの発射音とか、人を殴る音とかは、役者の動きと合わないと
いけないので、音響さんと役者の息が合ってないとだめですね。
こういう音がずれてしまうと、誰の目(耳)にも
はっきりとおかしいことがわかってしまいますから。
ごまかしがきかないのが効果音なんです。
音響さんは稽古にも通ってきてくださり、
タイミングが合わせられるように、役者の芝居を見てくれます。
そして本番。
ステージごとに、役者の芝居は微妙に変わったりします。
それでも、音響さんは、ステージごとの役者の芝居を見て、
呼吸を読んで、ピタッと音をはめ込んでくださいます。
ね、音響さんって本当に魔法使いでしょう?
音響のもうひとつは音楽です。
場面に合った音楽を流して
雰囲気を盛り上げ、
効果的に魅せることができます。 |
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音楽の選曲は、演出家との打ち合わせで行いますが、
音響さんが多くの曲を知っていてセンスが良く、
芝居をよくわかってくれていると、演出家はとても助かるようです。
思いがけない候補曲を持ってきてくれて、
演出家の想像力を高めてくれることもあるからです。
また、ありものの曲では場面にしっくりくるものがないとなると、
作曲してくださることもあります。
本当に頼もしい存在です。
音楽が入ることによって、より楽しい場面、より感動的な場面になります。
役者は、役の気持ちが作りやすくなり、
気持ちよく台詞をしゃべることができたりします。
音楽は、役者にとって、とてもありがたいものなのです。
その音楽をより効果的にするために、役者は計算します。
どこで、どの速さで台詞を入れたらメロディーと台詞回しとが
絶妙に組み合わさるか、ということをです。
簡単な計算問題ではありませんが、
うまく答えが導けたときには、
台詞をしゃべるのが本当に心地よくなるものです。
あっでも、役者自身が音楽に酔いすぎないように気をつけないといけません。
役者が我を忘れて気持ちよく酔ってしまっては、
観てる方は興醒めですからね。
このように、お客さんも役者も酔わせてくれる音楽を芝居の中で流す場合は、
音楽を入れるタイミング、入れ方(カットインかフェードインか)、
そして消すタイミング、消し方(カットアウトかフェードアウトか)が、
とても大事になります。
基本ラインは、もちろん演出家と打ち合わせの上、決まっているものですが、
例によって、ステージごとに芝居は微妙に違ってきます。
音響さんは、ステージごとに舞台の空気を読み、
気持ちよく音楽を入れてくださるのです。
ね、やはり、音響さんは魔法使いでしょう?
音響に酔いしれちゃう………いけないんだろうけどさぁ |
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